「いらっしゃいませ」「かしこまりました」「少々お待ちくださいませ」「ありがとうございます」「あいすみません」という商売の基本。
この基本の言葉を、店員すべてが客のひとりひとりにきちんと確実に発することがSEの接客の中核である。
この5大接客用語はバックヤード(店の事務、在庫整理などを行なう楽屋裏に当たる部分)の壁にかけておき、アルバイトやパートはもちろん、オーナーまでが、店に立つ前には必ず声を出して読むことを求められている。
親身のサービスについては、ほかにも実に細かいマニュアルがある。
たとえばコーラは3本以上はビニール袋を使うとか、ピン類は立てて詰める、品物やおつりは両手で出す、レシートはいらないとはっきりいう客以外は必ず買い物袋に入れる、など。
こういう心遣い、細かいマニュアルは客は意識していないのが普通だし、やるほうも、ともすれば慣れにまぎれて忘れがちだ。
しかし、こうした点をひとつひとつ細かく実行してこそ、無意識のうちに客は「親身さ」を感じ取るものだという。
デパートの店員の言葉づかいがいくらていねいでも、態葱無礼だと批判されがちなのは、やはりデパートの格に対するプライドや、古くから行なわれてきた「たくさん買う人が良い客」という教育のやり方が、自然に従業員側に刷り込まれるからだ。
だが、コンビ二は違う。
ガムひとつでも毎日来てくれる客がよい客なのである。
積極的に「5大接客用語」で声をかけ、マニュアルどおりの心遣いを実行すれば、客は「オレのことを覚えていてくれるから親切なのかもしれない」とふと考える。
そうは思わなくても気持ちのよい接客をする店には、必ず客は再び足を運ぶものである。
フレンドリーサービスが、品揃えと同列に4大基本とされるのは、そうした点を本部が知り尽くしているからにほかならない。
「システムは変えるもの」という発想また、クリンリネスという行動も、普通の発想なら「たかが掃除」であり、おそらくチェーン店に示す4大基本原則などには入ってこないだろう。
だが、SEにとってクリンリネスは、店のイメージ、店の顔をどう美しく守るかということと関わる、きわめて重要なイメージ戦略のひとつなのだ。
自己変革は自己否定から始まる。
だが、通常の組織、通常の経営者には自己否定はむずかしいものだ。
SEの努力は、「自己否定してでも、顧客のニーズに応えるためのあり方を実現する」という考え方から始まっており、しかもそれを徹底しようと、つねに組織ぐるみで検証している。
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